Nottaを会議や商談で使う前に、「録音データはどこに保存されるのか」「AIの学習に使われないか」が気になる方は多いでしょう。

結論からいうと、NottaはTLS 1.2、保存データの暗号化、東京のAWSデータセンター、SOC 2 Type IIなど、法人利用を想定した対策を公開しています。一方で、MFA(多要素認証・2段階認証)は現時点で未対応です。また、音声認識データを「AI学習なし」にできるプランは、公式資料上ではエンタープライズとビジネス Plusです。

この記事では、Notta公式資料を基に、確認できた事実と導入前に確認すべき点を分けて整理します。情報確認日は2026年8月29日です。

Nottaのセキュリティを先に一覧で確認

確認項目 公式情報で確認できた内容 注意点
通信 HTTPS/TLS 1.2で暗号化 利用者側でもOSやブラウザの更新が必要
保存データ AES-256、AWS KMSで管理される鍵を使用 暗号化されていても、録音してよい情報かの判断は別に必要
保存場所 東京のAWSデータセンター 自社規程でクラウド保存が認められているか確認
第三者監査 SOC 2 Type IIの報告書を取得 認証が個別企業の安全性を保証するものではない
AI学習 エンタープライズ/ビジネス Plusは「AI学習なし」に対応 無料・プレミアム・通常のビジネスでの扱いを理解して使う
MFA 現時点で未対応 強い固有パスワードとアカウント管理が重要
法人向け管理 IP制限、外部共有制限、SSO、監査ログ、自動削除など 利用できる機能はプランにより異なる

「暗号化されているから絶対安全」とは言えません。サービス側の対策と、自社側の運用ルールの両方がそろって初めてリスクを下げられます。

通信と保存データは暗号化される

通信はHTTPS/TLS 1.2

Notta公式ヘルプによると、ページと通信にはHTTPSが使われ、TLS 1.2で保護されています。録音・文字起こしデータがインターネットを通る際に、第三者が内容を読み取りにくくするための基本的な対策です。

保存時はAES-256とAWS KMS

保存データはAES-256で暗号化され、S3やRDSではAWS KMSで管理される暗号鍵が使われると説明されています。データは東京のAWSデータセンターに保存されます。

ただし、暗号化は「録音してよいか」という社内判断の代わりにはなりません。顧客の個人情報、未公開の契約条件、人事・医療・法務情報などを扱う場合は、社内規程と契約条件を先に確認してください。

SOC 2 Type IIを取得

NottaはSOC 2 Type Iを2022年9月29日に取得し、Type IIの報告書を2023年2月12日に受領したと公表しています。SOC 2 Type IIは、セキュリティなどに関する管理策が一定期間運用されているかを第三者が評価する枠組みです。

これは法人がサービスを選ぶ際の判断材料になりますが、すべての事故を防ぐ保証ではありません。自社の情報区分や必要な契約条件と照らして判断する必要があります。

音声データはAI学習に使われる?

音声認識では一部データが学習対象になる場合がある

Notta公式の「AI学習について」では、音声認識エンジンを提供する国内の第三者パートナー企業が、音声データと認識結果からランダムに選んだデータを、音声認識の精度向上に利用すると説明しています。

公式説明では、データが持つ会話の意味そのものを学習するのではなく、音響学習・言語学習に使うとされています。ただし、機密情報を含む会議では「ランダムだから問題ない」と判断せず、利用プランと社内ルールを確認すべきです。

AI学習なしはエンタープライズ/ビジネス Plus

エンタープライズとビジネス Plusでは、音声認識データを「AI学習なし」にする環境が提供されています。AI学習なしの場合、音声データと認識結果は音声認識エンジン提供元のサーバーやストレージには保存されず、処理後にメモリ上から消えると説明されています。

なお、AI要約など音声認識以外のAI機能については、いずれのプランでも学習用データとして提供しないと公式に記載されています。

MFA(2段階認証)は未対応

法人契約FAQでは、Nottaは現時点でMFA/2FAに対応していないと案内されています。アカウントの乗っ取り対策としては弱点になり得ます。

利用する場合は、次の運用を最低限行いましょう。

  • 他サービスと同じパスワードを使わない
  • 大文字・小文字・数字・記号を含む長いパスワードにする
  • 退職者や異動者のアカウントをすぐ停止する
  • 共有アカウントを作らず、利用者ごとに発行する
  • 不要な外部共有リンクを残さない

プラン別に使える法人向け管理機能

公式資料では、ビジネスプランでIPアドレス制限や外部共有制限が案内されています。エンタープライズでは、SSO、監査ログ、自動削除、AI学習なしなど、より厳しい管理機能が提供されます。

利用場面 検討したい機能
小規模チームの通常会議 権限管理、外部共有制限、保存期間のルール
社外秘の会議 AI学習なし、SSO、監査ログ、自動削除
接続元を限定したい IPアドレス制限
退職・異動が多い メンバー管理、SSO、監査ログ

必要な機能がどのプランに含まれるかは変更される可能性があります。契約直前に公式料金ページと法人窓口で再確認してください。

バックアップと削除はどうなる?

法人契約FAQでは、バックアップは1日1回、最大35世代、最長180日と説明されています。一方、日常的な保持期間は「バックアップがあるから残してよい」と考えず、自社で必要最小限の保存期間を決めることが重要です。

エンタープライズでは自動削除機能が案内されています。機密性の高い会議では、文字起こし後に誰が確認し、何日後に削除するかまで運用ルールに含めましょう。

小規模法人が導入前に決める7項目

  1. 録音してよい会議:通常会議、顧客面談、人事・法務会議を分ける
  2. 参加者への案内:録音と文字起こしを開始前に伝える
  3. 入力禁止情報:パスワード、カード情報、要配慮個人情報などを定める
  4. 共有範囲:社内のみ、案件メンバーのみなどを決める
  5. 保存期間:確認後30日など、目的に応じて期限を設定する
  6. 管理担当:メンバー追加・削除、共有リンク、事故対応の責任者を決める
  7. 無料版で試す:実在顧客を含まない架空の音声で精度と操作を確認する

実際に無料版を試した結果

当サイトでは、静かな室内、換気扇を強にした環境、2人の会話の3条件でNotta無料版を検証しました。短いテストでは文字起こしと話者分離、AI要約はいずれも実用的でした。ただし、長時間会議や3人以上、同時発話までは未検証です。

Notta無料版の文字起こし精度・話者分離・AI要約の実測結果

Notta無料版の録音・文字起こし・AI要約の使い方

Nottaが向いている会社・慎重に判断すべき会社

向いている会社

  • 議事録作成の時間を減らしたい
  • まず架空音声や低機密の会議から試せる
  • 録音・共有・削除の社内ルールを作れる
  • 必要に応じて法人向けプランを検討できる

慎重に判断すべき会社

  • MFAが必須のセキュリティ規程になっている
  • クラウドへの音声保存が禁止されている
  • AI学習なしが必須だが、対象プランの費用を確保できない
  • 録音の同意や保存期間を管理できない

料金と他サービスも比較して決める

安全性だけでなく、文字起こし時間、AI要約回数、管理機能、契約単位を含めて選びましょう。

Nottaを検討している方へ

無料版では、実在する顧客名や契約情報を使わず、架空の会議音声から試すと安全です。有料契約前に、最新の料金と法人向け管理機能を公式サイトで確認してください。

Notta公式サイトで機能を確認する

ツール側の安全性だけでなく、会議参加者への説明と社内運用も必要です。録音開始前の案内文、利用目的、閲覧権限、保存期間の決め方は、AI議事録の録音同意・個人情報・社内ルールで公的資料を基に整理しています。

まとめ

Nottaは、TLS 1.2、保存データの暗号化、東京のAWSデータセンター、SOC 2 Type IIなど、法人利用の判断材料になる対策を公開しています。

一方、MFAは未対応です。また、音声認識データのAI学習を止めたい場合は、エンタープライズまたはビジネス Plusを検討する必要があります。低機密の架空音声で試し、自社の情報区分・共有範囲・保存期間を決めてから導入するのが安全です。

参照した公式情報

※本記事は公開情報に基づく一般的な整理であり、特定企業の法務・情報セキュリティ判断を代行するものではありません。